disease

甲状腺の病気

甲状腺は、前頸部にある、左右の側葉とそれを連結する峡部からなる、ちょうど蝶が羽を広げたような形の、甲状腺ホルモンを出す内分泌臓器です。両葉の大きさは、長さ4~5㎝、幅2~3㎝、厚さ1㎝、峡部の厚みが2mm前後とされています。甲状腺ホルモンの働きは、ひとことで言えば、新陳代謝を活発にするホルモンです。

甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロキシン(T3)がありますが、T4がT3に体内で変化して、働きます。また、ホルモンが足りなくなると、脳下垂体というところから、TSHという甲状腺ホルモンを作る指令をする甲状腺刺激ホルモンが分泌されます。

甲状腺の病気はいろいろありますが、有名なのは、バセドウ氏病と橋本病、それと腫瘍でしょう。

バセドウ氏病と橋本病は、自分の体の成分を異物と見なして、抗体を作ってしまう自己免疫疾患です。

バセドウ病は、甲状腺のTSH受容体に対する刺激型の自己抗体ができて、甲状腺機能亢進症になってしまう病気です。

橋本病は、甲状腺細胞に対する抗体を持ってしまって、甲状腺に慢性の炎症が起きる病気です。

検査では、血液検査で甲状腺ホルモンの値や、TSHの値、抗TSH受容体抗体、抗ペルオキシダーゼ抗体 エコー検査などで調べます。

甲状腺の腫瘍にも、良性・悪性と、いろいろありますが、甲状腺の腫瘍は、だいたいが、おとなしい腫瘍で、経過も良いことが多いです。

*亜急性甲状腺炎について

 ウィルスの感染によって起こるといわれていて、主な症状は喉の痛みです。限局性の痛みですが、痛みの場所が移動することもあります。予後は良好で、数ヶ月以内に自然に治癒しますが、再発することもあります。