disease

いびきと睡眠時無呼吸症候群

≪いびきとは?睡眠時無呼吸症候群とは?≫

鼻の穴からのどまでの、空気の通り道である上気道(じょうきどう)が、色々な理由で狭くなってしまうと、無理に空気を通そうとするため、いびきとなります。そして、上気道の狭窄がひどくなると、一時的に呼吸が止まってしまいます。10秒以上続く無呼吸が睡眠中に何回も起こり、睡眠分断と動脈血酸素の低下をきたし、色々な障害を起こしてくる場合を睡眠時無呼吸症候群と言います。

≪原因≫

一番多いのは、肥満によるものです。そのほか鼻づまり、骨格的に喉の通り道が小さい人、扁桃腺肥大(子供さんの場合は、一番多い原因です)、舌がのどに落ち込みやすい人、など色々な場合があります。

≪症状と問題点≫

症状としては、激しいいびきがあります。睡眠が中断される(ただ、本人は自覚していないことがほとんどです)ことによる昼間の強い眠気があります。そして、他に、大きな問題点がふたつあります。

  • 日中の激しい眠気のため、交通事故、学習・作業能率の低下、家庭・社会生活の問題などを引き起こしてくる場合があること
  • 睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、高脂血症の合併が多く、心臓病や脳卒中の発生頻度が正常者の3~4倍多いと言われています。また、中等症以上の人では、平均寿命の短縮も指摘されています。

≪検査方法と診断基準≫

簡易睡眠ポリグラフ検査 当院で行っている検査です。検査装置を家に持ち帰って頂き、検査して頂きます。いびきや無呼吸の状態や回数、低呼吸(換気が50%以下に低下する呼吸)を検査します。

診断 1時間あたりの無呼吸の回数である無呼吸指数(AI)と低呼吸指数(HI)を足したものを無呼吸低呼吸指数(AHI)といい、この値で重症度を分類しています。AHI指数が、20未満が軽症、20~40が中等症、40以上が重症となります。中等症以上の場合はなんらかの治療が必要となってきます。

≪治療≫

①ダイエット、生活習慣の改善など  肥満がある方は、ダイエットはとても大切です。また、就寝前の飲酒を避けること、禁煙も必要です。

②マウスピース治療  歯科でマウスピースを作って頂き、それを装着して寝て頂きます。マウスピースで、舌やあごを前方に固定することで、気道のスペースを広げます。(保険がききます)

③手術治療  鼻づまりがある時には、鼻の通りを良くする手術をしたり、狭い咽頭をレーザーなどで広げる手術をすることもあります。扁桃腺肥大では、扁桃腺摘出術を行います。

④CPAP(シーパップ)治療  CPAP装置をつけて寝て頂く方法です。器械からある圧力の空気をマスクや管を通して鼻から送り込むことによって、呼吸を助ける治療法です。現在、睡眠時無呼吸症候群の最も一般的な治療方法になっています。1日約4時間の使用で効果があると言われています。

CPAPの保険適応

簡易睡眠ポリグラフ検査で重症(AHIが40以上)の人は、簡易検査だけで、保険適応となります。AHI指数がそれ以下の方は、終夜睡眠ポリグラフ検査(入院しての検査)での精査が必要になってきます。保険適応された場合、月に1回診療所を受診して頂く必要があり、3割負担の方で、月に約5000円(CPAP治療機器のレンタル料を含む)かかります。