disease

滲出性中耳炎について

<滲出性中耳炎とは>

耳の奥の突き当りに鼓膜がありますが、この鼓膜の向こうは、空洞になっていて、空気がはいっています。また、中耳は、鼻の奥と、耳管(じかん)という管でつながっています。耳管は普段は閉じていますが、唾を飲んだり、あくびをしたりすると開いて、外気と中耳との気圧が同じになるように調節しています。この耳管が詰まってしまって、中耳に水(浸出液)がたまっているのが、滲出性中耳炎です。

<原因>

急性中耳炎が十分に治りきらないで、鼓膜の内側に膿が浸出液として残ってしまう場合と、色々な原因で耳管が詰まってしまってなる場合とあります。耳管が詰まって、外からの空気が入ってこなくなる状態が長く続くと、中耳の空気が薄くなり(陰圧になり)、その結果、周囲の鼓膜から水(浸出液)が滲みだしてきて、中耳にたまってしまうのです。

<症状>

耳が詰まった感じがします。ちょうど、エレベーターやトンネルに入った時のような感じです。また、聞こえが悪くなってきます。小さな子供さんでは、聞き返しが多くなったり、呼んでも返事をしなくなったりする時もあります。

<治療>

耳管の通りが良くなれば、中耳の浸出液も次第になくなってきます。鼻の炎症は、耳管の炎症を起こしますから、鼻を通り易く、鼻汁などは除去します。また、通気(つうき)といって、鼻から中耳に、通気カテーテルで空気を送ります。中耳の陰圧がないほうが、耳管の炎症も取れ易くなるのです。通気をしたり、鼻をきれいにしても、なかなか治らなかったりする時には、鼓膜を少し切って(鼓膜切開)水を出します。ただ鼓膜を切って水を出しても切った所がふさがると、また溜まってくる時もあります。そういう時には、鼓膜を切ったところに小さなチューブを差し込んで穴がふさがらないようにすることもあります。

<どのくらいで治るのでしょうか。>

治り方は色々です。2~3回通気をしただけで、すぐ治る場合もありますが、何カ月も何年もかかる場合もあります。また、一度治っても、風邪などで、再度悪くなったりする時もあります。チューブを入れた場合、たいてい、チューブは自然に抜けてしまいますが、抜けないときは、1年以上は入れたままにしておくことが多いです。